おせち料理種類 煮物

おせち料理では、その食材や出来上がった料理にそれぞれ意味を持たせているのはこれまでもご紹介したとおりです。

おせち料理は事前に準備をして、当日は火を使わず出すことが基本ですから、保存できるようなものが多くなっています。

その中での煮物というと、煮しめをさします。

しっかりと味をしみこませ、保存ができるようにしたものが昔ながらのものですが、現在は冷凍・冷蔵技術が発達し、薄味のものも食せるようになりました。

では、その煮しめの品を見ていきましょう。


・昆布巻き

昆布はこぶと読み、「よろこぶ」にかけています。

また、昆布の呼び名として「ひろめ」あるいは「えびすめ」というものも持ち、末広がりで縁起が良いものとされます。

その他にもコブを「子生」という字を当てはめ子孫繁栄を願うという意味、巻物に似た形をしていることから文化・学問を象徴するという解釈もありました。

昆布巻きが、単独で出されることもありますが、他の材料と共に煮物として供されることが多いようです。


・里芋

里芋は、親芋に小芋がたくさんついて育ちます。

このことから、親イモのように頭(かしら)になることを願い、小芋がたくさん育つことから子宝を願うものとされます。


・レンコン

煮しめや酢の物として出すレンコンは、外側を花びらのように丸くすることが多く、これはレンコンが花が咲いた後、育つことから、花を咲かせ実を結ぶことを願うといわれます。

また、レンコンには穴があいていることから、将来が見通せるようにという意味があります。


・くわい

煮しめにするときも1本の芽を残していることがありますが、この最初に大きな芽が一本出ることを「めでたい」とし、出世を祈願します。

また、旧の平かな使いでは「か」を「くわ」と表したので、「くわい」を「かい」と読み「快」とあて、、一年を快く過ごせるようにという願いをこめたという説や、破魔矢の矢羽根に見立て縁起を担ぐというものもあります。


・ごぼう

地にしっかりと根を張るごぼうは、正月料理には欠かせない存在。酢の物にも登場します。

根を張って生活できるようにという願いが込められます。


・陣笠椎茸(椎茸)

椎茸は、必ず煮しめにはいる材料の一つです。
傘の開いた椎茸を陣笠椎茸とよび、陣笠に見立てるのは武家社会の名残とされています。


・楯豆腐(豆腐)

現在ではあまり見かけなくなりましたが、楯豆腐は豆腐に焼き目を付けて楯に見立てたものです。

これも武家社会の名残といわれますが、現在は高野豆腐に代えることが多いようです。


手綱こんにゃく(コンニャク)

手綱こんにゃくというのは、こんにゃくを薄くきり、真ん中に立ての切れ目を入れ、その切れ目を利用して、こんにゃくを回転させ、はコンニャクを手綱に見立てたものです。

和食でこんにょくを使った料理にはよく利用されますし、家庭料理のこんにゃくを使ったメニューではこの形はよく利用されていますね。

これも武家社会のなごりです。


・金柑

柑橘類の金柑を甘く煮たものです。

金柑はのどの薬としても昔から重宝されてきましたし、財宝としての「金冠」を意味しているといわれ、縁起の良いものとされます。


・梅花にんじん(人参)

おせち料理に使う人参は西洋人参でなく京人参を使います。

西洋人参と比べ赤の色が濃く、輪切りにし、淵を花びらのように切り取り、梅の花を模します。

最近はお弁当のおかずにするときに使う型抜きでも、簡単に花の形に切れますね。


ここまで、代表的な煮しめの材料を挙げてきましたが、材料が手に入らなかったり、高価すぎる場合もあります。

最近では筑前煮を煮しめの代わりにするなど、様変わりをしてきています。